TRAD的出来事
今日もTRADスピリットで…<全社員参加型ブログ>
Ivoclar Vivadent株式会社主催
『BIG4 Denture&All Ceramics』へ行ってきました。
2011年3月1日(火)
夢のBIG4の集まる大変興味深い、豪華な講演会でした
還暦記念講演のパンフレット(上)。 『BIG4 Denture&AllCeramics』
還暦記念の佐藤幸司先生と片岡繁夫先生、ゲストスピーカーの川島哲先生と山本眞先生を迎えて。
トップバッターは『総義歯製作のガイドラインからセンサーリセプターを考える(BPS)』というタイトルの元、佐藤 幸司先生がお話くださりました。
義歯にも辺縁(マージン)はあり、良い義歯を作るには、結局、バイトと印象が重要である。良い印象をとるためには、個人トレーが非常に大切であるとおっしゃっていました。
なお、印象材に、モリタさんの「アルフレックスデンチャー」がデンチャー用で粘りとこしがあり、比較的変形しないので先生方に勧めているそうです。
高齢化に向け、健常者の時にいかに良い入れ歯を入れるかがポイントであり、技工士の未来は明るいとおっしゃっていたのが、印象的です。高度な内容を大変わかりやすくお話くださりました。
続いてお話いただいたのは、川島哲先生。
『キャストパーシャルの「実力」』です。これからの時代は、後でリメイクできるパーシャルデンチャーにしていかないと駄目な時代だといったお話をされていました。総義歯の理論を取り入れたパーシャルデンチャーといった考え方だそうです。パワーポイントに映し出される、先生の「デンチャーの構造設計図」の美しさには驚かされました。まるで、美術画のようでした。
また、先生のラボの中を動画で映し出してくださり、可愛い、ワンちゃん(トーマス君)のたびたびの登場に、和まされ、先生のプレゼンのスキルのすごさも実感してまいりました。
あいだ休憩が入り、後半へ。
後半は、山本眞先生より『オールセラミックス用フレーム材強度の再考、及びジルコニアセラミックスの徐冷操作とその効果について』お話頂きました。
ジルコニアが登場したときは、強度のあるすばらしい材料として歯科界でもブームになりましたが、近年の破折、チッピングでその評価が落ちていることに関して、山本先生は、さまざまな実験を行い、その数値結果を非常に丁寧にレクチャーしてくださりました。
ジルコニアの接着が悪いという人もいるが、そういうわけは無く、アルミナや、プレシャスメタルとほぼ同じ強度でくっついており、つまり、ジルコニアの使い方を誤っているとおっしゃっていました。薄くしてもジルコニア自体は、折れはしないが、曲がりやすくなってしまう。結果、陶材がはがれてしまう。ブリッジの場合もフレームの形がポイントになると話されていました。
また、強度が約400メガある e.maxプレスはジルコニアに替わって臼歯部に有効だと話されていました。
最後は先日弊社のフェアでも大変お世話になりました、片岡繁夫先生より、『オールセラミックレストレーションにおける天然歯形態と色彩表現』が還暦記念講演として、行われました。片岡先生は、審美的な歯の作り方のポイントを様々な症例写真をみせていただきながらお話くださりました。
特におっしゃっていたポイントとしては、
「どういうものを作るか。プロビジョナルまでが勝負。」
「歯の形を見るとき、まず線の集まりを見、それに包まれたのが面。線を見るために点を見る。」
「正面からだけではなく、様々な角度から歯を見る。切縁観から見る事が非常に大切。」
「最終仕上げはあくまでも研磨。焼いて表面を作るのではない。」
です。
観察、模写することの大切さ、歯の形を知ることの大切さを非常に強調されていました。
沢山の芸術作品とも言える歯の写真を元に、歯の作り方を丁寧に、そして熱く語られていました。
また、e.maxシステムの有用性についてもご説明されていました。
■還暦記念パーティーで。
講演後には、還暦記念パーティーが18時から20時まで講演会を行った隣の会場で行われました。
パーティーではIvoclar Vivadent株式会社さんより、佐藤先生、片岡先生に赤い白衣のプレゼントがあったり、両先生の若い頃からの写真がスクリーン上映されたりと、和やかなムードで終わりました。
ちょっと照れくさそうですね。