口腔は、消化器であり、呼吸器の一部です。
“病は気からでなく”病は口から”と考えます。
口腔に発生する粘膜疾患は、口腔に限局するものは、ほんのわずかで、そのほとんどが何らかの全身疾患と関連しています。
我々、歯科医師は歯に限局した疾患だけでなく、口腔に発生するさまざまな疾患に対応することが本来の職責であると思います。この口腔に発生するさまざまな疾患の病態を知っておけば、日常の診療に役立つばかりでなく、診療上の危険を察知するのに非常に有効であると考えています。今回、口腔がんをはじめとするさまざまな口腔粘膜疾患に関して、関連する全身疾患を考慮にいれて、お話し致します。
講演内容
1.貧血による舌炎
1)鉄欠乏性貧血
2)悪性貧血
2.出血性素因による歯肉出血
1)血小板に関連するもの
2)血液凝固因子に関連するもの
3.急性白血病による歯肉出血・腫脹
4.AIDSによる口腔カンジダ症
5.ウイルスによるアフタ性潰瘍
6.結核・梅毒による粘膜症状
7. 金属アレルギーによる扁平苔癬
8.糖尿病による口腔乾燥感と歯周病の憎悪
9,ビタミン欠乏による歯肉出血
10.薬物の副作用による口腔症状
11.前がん病変の口腔内症状
12.口腔がんとその鑑別疾患など
全身との関連を中心にお話し、その診断/治療のポイントを簡潔に説明し、治療の流れを紹介します。
先生方の日常診療のお役に立てれば幸いと考えます。
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